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▼発起人とは 

会社を作る一連の作業を行うひとを発起人といいます。

発起人は、おおくの場合は、創業者、すなわち将来、社長になるかたがこの役割を担います。

 

▼基本事項とは 

発起人は会社をつくるために、まず会社の基本となることを決めなければなりません。

会社の名前、事業の目的、会社の住所、機関設計、役員構成、資本金の額、だれに株式をもたせるのか、事業年度などの会社の基本をデザインします。

この会社の基本デザインのことを基本事項といいます。

基本事項は、いずれも今後の経営の根幹となる事項です。

最初でつまづくと、事業のおおきな足かせとなりかねません。

じっくりと検討されることをお勧めします。

特に機関設計や役員構成、資本構成は、いったん会社が走り出すと修正するのに大変な労力と手間を要することがあるので要注意です。

役員にやめてもらうのは大変にストレスのかかる仕事ですし、他人から資本金を集めすぎると起業家自身が会社から追い出されかねません。

以下に基本事項の内容をご説明します。

 

▼事業目的

事業の内容を決める必要があります。

将来的に実行する可能性のあるビジネスも含めて、書き出しましょう。

後から追加すると登録免許税や手数料がかかるからです。

登記を受け付けてもらうためには、事業目的は、適法で、営利性があり、明確である必要があります。

  • 適法性⇒法律や公序良俗に反していないこと。たとえば、『麻薬の密輸』は、事業目的にできません。
  • 営利性⇒利益を上げることのできる事業。たとえば、『慈善事業への寄付行為』などは、ダメです。
  • 明確性⇒日本語として意味が通じること。例えば、『製造の企画共済』では、なにをいっているかわかりません。『広辞苑』『イミダス』『現代用語の基礎知識』を使って意味が通じるか確認しましょう。

事業目的の表現については、具体性などの要件が緩和されてきましたが、事前に法務局で確認したほうがいいでしょう。

また、許認可が必要な事業の場合は、表現があいまいだと申請が受理されなかったりすることがあるので事前に許認可を申請する役所に確認しましょう。

 

商号

会社の名前のことです。

会社は、会社の種類に従って、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社のいずれかの文字を入れなければなりません。

以前は、類似商号規制があり、同一市町村(区)内で同じ業種で類似の商号を使うことはできませんでした。

この類似商号規制が廃止されたために、同一住所でなければ、同一商号の会社を設立できようになりました。

実際には、住所の同じビルにたまたま同じ商号の会社があるということは、ほとんどないので、自由に会社の名前を決められるということです。

だからといって、他社と同じ商号を勝手に使っても良いということではありません。

他人が使用しているものと誤認のおそれのあるものを使用すると、不正競争防止法や会社法の規定にひっかかる恐れがあります。

他の会社と同じような商号を使用してしまうと、差し止め請求や損害賠償請求を受けることもありえるのです。

自信のないかたは、法務局で調査してください。

費用はかかりません。

会社の商号には、日本語以外に、英語(アルファベット)等も使うことができます。

現在は、日本語(漢字、カタカナ、ひらがな)以外に、以下の文字を使うことが可能です。 

①ローマ字・アルファベット(大文字及び小文字)  

②アラビヤ数字(1,2,3,4,5,6,7,8,9,0)

「&」(アンバサンド)、「'」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「−」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点)。  ただし、ギリシャ文字、キリル文字、@アットマークは、使用できないとされています。ご注意ください。

 

本店所在地

本店の所在地とは、会社の本社の住所のことです。

賃貸住宅を本店とする場合には、貸主の了解を取り付けておきましょう。

特に、URや公営住宅等は規制されておりますので、事前に貸主にお問い合わせください。

大家の了承を得られず、住居使用目的でのみ賃貸契約している場所に本店登記をすることは可能ですが、融資や許認可のときに、障害となります。

定款には、「千代田区」と本店所在地だけ記す方法と、「千代田区九段○丁目○番○号」というふうに番地まで明らかにして、本店所在場所を記す二つの方法があります。

それぞれに、メリットとデメリットがあります。

前者の場合には、おなじ最小行政区画である特別区や市町村のなかで引越しするのであれば定款を変更しなくともよいというメリットがあります。

ただ、本店の所在場所を決定する『発起人決定書』という書類を作成しなければなりません。

 

株式譲渡制限

中小企業は、通常、株式譲渡制限をつけておきます。

勝手に株式が譲渡され、好ましくない第三者が株主としての議決権を手に入れることを防ぐためです。

投資家から投資を受けた場合でも、同じです。

かれらが勝手に、未知の第三者に株式を売却することを防ぐ必要があるからです。

譲渡制限とは、定款に「当社の株式を譲渡により取得するには、取締役会(代表取締役)の承認を受けなければならない」という記載を設けることにより、設定することができます。

譲渡制限をすると取締役の任期を最長10年に延長できますので、役員の変更登記の手間を軽減することができます。

 

機関設計

取締役は一人でも、会社は設立できるようになりました。

取締役が一人の場合は、その取締役が自動的に代表取締役になります。

監査役も設置する必要もありません。

煩雑な意思決定過程を避け、スピーディな経営を行いかたは、 お勧めの機関設計です。

招来の成長を見据え、多様な人材を導入して経営を進めて行きたい方は、従来どおりの機関設計も可能です。

取締役会を設置して、監査役が職務執行を監査するという仕組みです。

この場合は、取締役は3人以上選任する必要があります。

取締役数が多いので従業員を役員にすることによって、やる気を引き出す効果を狙ってもよいでしょう。

外部のブレーンを役員として活用することもできます。

それぞれ、独自の長所がありますので、自分の経営スタイルにあった機関設計をしてください。

あなたの将来の経営ビジョンにあわせて自由に機関設計をすることができるのです。

 

▼事業年度

1年以内であれば、年に2回、3回の事業年度を設定することが可能ですが、決算作業が煩雑となるので、通常は、年一回とします。
事業年度の末日の設定も自由ですが、決算作業はなにかと煩雑な作業を伴いますので、事業年度終了月の翌月と翌々月は、会社の繁忙期と重ならないようにしましょう。

 

▼会社設立の基礎知識

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