▼電子定款だと収入印紙代が不要となる
従来、定款は、紙面で作成し、認証を受ける方法しかありませんでした。定款をパソコン等で作成し、これを印刷・製本したものを公証役場にもちこみ、認証を受ける方法です。
しかし、2004年3月1日から電子定款による電子認証が可能となりました。
電子定款とは、電子文書(PDF)にて作成された定款のことです。この電子定款に対する認証は、従来の方法とは異なり、電子的に行われます。PDF化された定款が認証されると、公証人は、認証された定款をFD、CD−R等に書き込んで申請者に渡します。
電子定款により電子認証を受ける最大のメリットは、紙面にて定款認証を受けるケースと比べて定款認証の印紙代4万円がお得になるということです。
なぜなら、印紙税法上、紙面による定款書類は課税文書に該当しますが、電子定款は電子データであり文書に該当しないため、課税されないからです。
▼専門家に依頼した方が得
ただし、一般の方が電子定款により電子認証を受けようとしても、コスト的に得であるとは限りません。電子定款には、電子署名をしなければなりませんので、電子証明書の入手や、専用ソフトの購入が必要となります。専用ソフトの購入費用だけで5万円以上は、かかってしまいます。また、ソフトのインストールや、手続を理解するためには、かなりの時間を要します。
少なくとも定款作成に関しては、専門家に任せるほうがコスト的にも時間的にも有利でしょう。電子認証で省ける印紙代4万円未満で専門家に会社設立手続きを頼めれば、全体の費用を抑えられるだけでなく、時間も節約できます。
▼具体的な電子定款の作成方法
具体的な電子定款の作成方法について、ご説明します。
まず、会社の基本事項が決まったら、パソコン等で定款文章を作成します。ここまでは、従来の紙の定款と同じです。
作成が完了しましたら、この時点で早速、公証人に事前に内容をチェックしてもらいます。問題が無ければ、定款をPDFに変換し、電子署名を行います。この電子署名した電子定款を、法務省オンラインシステムを通じて、公証役場に送信します。
公証役場は、会社を設立する都道府県の公証役場であれば、どこでも受け付けてくれますが、電子認証に対応している公証役場である必要があります。
電子署名後の定款をプリントアウトし、製本したものを2部用意します。
電子定款の作成と製本が完了いたしますと、定款認証の際に必要である委任状を作成します。委任状は、依頼を受けた専門家が代理で手続きすることに対して必要となるものです。委任状は、紙に出力した定款(上記の2部の定款とは別です。)と一式になっています。委任状に発起人が実印で押印し、さらに定款との間、及び定款の全てのページ間に実印で契印する必要があります。 発起人の印鑑証明書も用意します。
これらの書類が用意できたら、公証役場に行って正式に認証を受けます。
電子認証というと公証役場にゆく必要がないのではないかと思われる方がいます。電子認証という言葉から、すべてをインターネットでのやりとりですませられるという印象を持たれるからでしょう。でも、これはあやまりです。
公証役場での認証の際には、FD、CD−R等、プリントアウトした定款2部、委任状、印鑑証明書を提出します。さらに、公証人による定款認証代5万円と定款謄本の交付手数料約2,000円も用意する必要があります。
認証手続の際に、仮に代理人が公証人と面識がなければ身分証明書の提示が求められます。定款が認証されますと、認証された定款を格納したFD、CR−R等を返してくれます。これが、電子認証です。紙の定款も公証人が記名押印をして返還してくれます。FD等、定款1部は会社側で保存し、残りの定款1部は法務局に会社設立の登記申請時に提出します。
公証役場には、電子定款のPDFファイルと認証文のデータファイルが保存されます。
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