▼定款には何を記載するのか?
定款とは、「会社の組織活動の根本原則」のことです。会社の重要な規則・ルールを定めたものであり、発起人により作成されます。定款には、『絶対的記載事項』『相対的記載事項』『任意的記載事項』の3つの事項を記載します。
1・ 絶対的記載事項
『絶対的記載事項』とは、定款に必ず記載しなければならない事項のことです。絶対的記載事項には、「商号」「目的」「本店所在地」「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」「発起人の氏名及び住所」の5つがあります。これらの内、一つでも記載が欠けていると登記申請は受理されません。
2・ 相対的記載事項
『相対的記載事項』とは、絶対的記載事項とは異なり定款への記載が必須ではありません。ただし、記載がないとその効力は生じません。法律的な効力を発生させるため記載する事項となります。
相対的記載事項には「現物出資」「株式の譲渡制限」「役員の任期」等があります。
現物出資は、お金に代えて物を出資することによって資本を増強する方法です。自己資本を高めることができるだけでなく、節税上も有効である場合がありますが、定款に記載がないと実行できません。
株式の譲渡を制限する場合にも、その旨を定款に記載する必要があります。この記載を追加することにより、望まれない第三者が株主となることを防ぐことができます。
3・ 任意的記載事項
『任意的記載事項』とは、定款に記載してもしなくても良い事項です。あえて定款に記載することによって、会社の運営ルールとして選択します。
任意的記載事項には、「事業年度」「資本金の額」「発行可能株式総数」「公告の方法」「役員の人数」「定時株主総会の開催の時期」等があります。「事業年度」「公告の方法」「役員の人数」等は、実際に作られるほとんどの定款で、盛り込まれています。
▼定款の作成の方法(紙面による定款認証のケース)
定款に記載する事項とその内容が決定しましたら、実際にパソコンで文章を入力します。
定款用紙のサイズに規定はありませんが、A4サイズで作成されることが多いのでA4サイズで作成しましょう。
また、その用紙自体にも制限はありませんが、長期間保管するものですので、長期間の保存に適した用紙を選んで下さい。
記載する事項とその内容の入力が完了しましたら、3部印刷します。それぞれ、
①法務局の登記申請用
②会社保存用
③公証人役場提出用
となります。
印刷が完了しましたら、定款に実印を押印します。また、訂正が発生することも考慮し、 捨印も押しておきます。
押印まで完了しましたら、製本作業に移ります。
まず、定款書類を整え、左側をホッチキスで留めます。ホッチキス止めだけですませることもできるのですが、その場合は、定款の全ページの変わり目に実印の押印が必要となります。かなり、面倒な作業です。
そこで、通常は、ホッチキスのみならず、市販の製本テープも併用します。製本テープをホッチキスの上から貼りますと、ページ毎の押印は不要となり、定款の裏面に製本テープの上から押印するだけですませることができます。
上記の定款への押印は、いずれも契印といってふたつの書類をまたいで押印します。
▼定款の提出の方法(紙面による定款認証のケース)
公証人役場には、3部の定款と、発起人全員の印鑑証明書を持参します。実印もなるべく持っていったほうがいいでしょう。
定款の認証手数料が5万円(現金)、収入印紙代が4万円、定款の謄本手数料が2000円位です。
収入印紙は、公証人役場保存用の定款に貼り付けて、割り印(認印可)を押します。収入印紙は、だいたい、役場近くで購入できますが、事前に確認しておいてください。
発起人のなかに公証人役場にゆけない人がいる場合には、委任状を用意しておく必要があります。委任状には、行けない方の実印の押印が必要です。
発起人とは別に代理人をたてる場合には、全ての発起人が実印を押印した委任状のほかに、代理人の印鑑、代理人の印鑑証明書(または身分証明書)が必要となります。
定款3部のうち、一部は、公証人役場に保存され、残り2部は、返却されます。一部は、法務局での登記申請時に提出され、残り一部は、会社で、定款の原本として保存されます。
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